シート防水の手順について(機械的固定工法)

皆様いつもお世話になっております。株式会社晃成の深谷です。


今回は弊社がメインに行っているシート防水の手順について説明したいと思います。


1・下地の確認、清掃

2・外周部に鋼板といわれる金物を設置

3・平場部に絶縁シートを敷設

4・絶縁シートの上にディスク板を設置

5・平場のシートを張る

6・ディスク板とシートを融着

7・シートの継ぎ目にシーリング剤を塗布


以上が大まかな流れになります。


まず先に防水工事でお悩みの方は下記のブログもご参考にしてください。

防水工事をお考えの方へ


それでは詳しく解説していきます。


1・下地の確認、清掃

まず最初に下地の確認を行います。

現地調査時に大体は確認していますが、もう一度確認します。


下地がコンクリートやALCなどによってビスの種類や長さが変わるためです。断熱材なども新築当時に入っていると、その分ビスの長さも長くなります。


下地の確認が終わったところで、清掃に入ります。

全体を掃除して、障害物なども外せるものは外していきます。

ドレイン(排水する穴)前は大体汚れがひどいので、念入りに掃除していきます。


ここまでやって初めて次の工程に移ることができます。



2・外周部に鋼板といわれる金物を設置


シート防水の機械的固定方法という仕様は、防水シートを張る相手がいないとくっつけられないので、塩ビの被覆がある鋼板を取り付けます。


外周部や段差がある場所などにドリルで穴をあけてビス固定していきます。


ここでワンポイント!

鋼板のジョイント部分には目地テープを必ず貼ります。目地テープというのは絶縁テープのことです。

建物が地震で揺れた時や、防水シートが伸縮した際に目地テープを貼らないとその部分から切れることがあります。



3・平場部に絶縁シートを敷設


平場部分にはロール状になっている絶縁シートを張っていきます。

新しく張るシートに既存の防水層の影響を受けさせないためです。


イメージ的には防水層が二重になる形です。

これを被せ工法ともいうのですが、メリットがあります。


1・既存の防水層の撤去が原則不要

2・既存の防水層が撤去不要なためコストを抑えられる

3・防水層が二重になるので丈夫になる


これも解説していきます。



1・既存の防水層の撤去が原則不要



被せ工法の場合は既存の防水層の上に張っていくため原則撤去が不要です。


しかしウレタン防水などの場合はカチオンなどで下地を平滑に整える必要があります。


シート防水は直接下地に塗ったりするわけではないので、このようなやり方が可能になります。



2・既存の防水層が撤去不要なためコストを抑えられる



既存の防水層が撤去不要ということは当然、剥がす職人の手間も無ければゴミの処分費も抑えられますし、時間もかかりません。


ということは、全体的にみてコストがかからずに工事をすることが出来ます。



3・防水層が二重になるので丈夫になる



改修工事の場合は新築当時の防水層がかならずありますよね。


雨漏れしている場合を除いては、その建物は既存の防水で雨漏りを防げています。


ここにさらに上から防水シートで覆うことで二重の防水層ができます。

ここまでが被せ工法のメリットです。


内容が若干それましたが、下地の影響を受けにくくするために絶縁シートを張っていきます。



4・絶縁シートの上にディスク板を設置


絶縁シートを張った上にディスク板という円盤状の金物を取り付けていきます。

このディスク板にも防水シートをくっつけていくんですが、これもかなり重要な役割を持っています。


機械的固定方法でシートが融着(くっついている)されている場所は外周部とディスク板の上だけです。


もしディスク板を設置せずに防水シートを張ると風でバサバサあおられます。


そうするとシートに負荷がかかって入隅部分や出隅部分などから切れていく可能性もあります。


またシート防水の工法で密着工法というのもありますが、これはボンドで床に

張っていくやり方です。


これだと下地の影響を受けやすく膨らんだり切れたりしやすいのですが、ディスク板だと点融着なので揺れなどにも耐えられるメリットもあります。


このディスク板を一定の間隔で設置していきます。



5・平場のシートを張る


ここまでやってようやく平場の防水シートを張ることができます。

大体の防水シートは1200幅になり、重ね部分は40mm~50mmです。


ロール状になっているので、転がしながら並べて張っていきます。

シートを張るときはライスターを使って熱で溶かしたり、溶剤を使い溶かしながら張っていきます。


溶剤などでシートを張るとどうしても口があいてしまう箇所ができます。


そこにはチェック棒という専用の治具を使って、シートの継ぎ目に口があいてないかチェックしてふさいでいきます。



6・ディスク板とシートを融着



防水シートを張り終わった後に前もって設置しておいたディスク板と防水シートを融着していきます。


この融着方法は注射器で溶剤を流し込むやり方と、専用の機械で防水シートの上から圧着するやり方があります。


ここでしっかりつけていかないと、せっかく設置したディスク板の意味がなくなってしまいます。


7・シートの継ぎ目にシーリング剤を塗布



防水シートの継ぎ目にシーリングというのを塗布していきます。

これは防水シートを溶かしてドロドロにしたようなイメージです。


化粧的な役割もありますし、継ぎ目の保護のためでもあります。


ディスク板を注射器でつけた場合はその針の穴の上にも塗布していきます。




以上ここまでがシート防水工事(機械的固定方法)の大まかな流れになります。


もう一度手順のおさらいです。


1・下地の確認、清掃

2・外周部に鋼板といわれる金物を設置

3・平場部に絶縁シートを敷設

4・絶縁シートの上にディスク板を設置

5・平場のシートを張る

6・ディスク板とシートを融着

7・シートの継ぎ目にシーリング剤を塗布



埼玉県和光市にある株式会社晃成では、上記のような手順に加えてお客様のご自宅などに適したやり方を採用しています。


弊社は自社の防水技能士の国家資格を持った職人が施工しますので、品質にも自信をもっております。


工程ごとの写真を撮りお客様にご説明もおこないます。


また防水工事をお考えの方は下記のブログもご参考にしてください。

防水工事をお考えの方へ


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